2010年5月26日水曜日

「レディ・ジョーカー」



高村薫さん著の
「レディ・ジョーカー」が
ようやく佳境を迎えている。
上/中/下巻とあり、
ついに下巻に入りました。
600ページ弱/1冊の文庫です。

話の内容はある大手ビールメーカーが脅しを受け身代金を払う、
というものなのだけれど、
なぜ、犯人グループはビールメーカーを脅すことを決めたのか、
なぜ、そのビールメーカーが脅されなければならなかったのか、
なぜ、ビールメーカーはそれに応じなければならなかったのか、
…というような
事件に関わる人々の「諸事情」が上巻と中巻に書かれている。
そこに、「合田警部補」が絡んでくる。
高村さんの作品は合田警部補が
メインの刑事として出てくるシリーズがほかにもある。
「マークスの山」が合田警部補が出てくる有名どころでしょうか。

私はガサバルのと値段と読みにくさもあって
ハードブックは基本的に買いません。
文庫が出るまでじーっと待つか、図書館で借りるか。
ただ、読む時間が通勤時間に限られるので
やはり、いくら借りられてもガサのあるハードブックは敬遠してしまう。
片手で読めませんから…。

高村薫さんは、確か一時筆を折られたと記憶している。
10年以上前に神戸の子どもが首を切られて
学校の校門におかれたという事件があった。
私はその事件を当時住んでいたアメリカで知ったのだけれど、
日本でどのような報道がメディアでされ続けたのか
私は日本にいなかったので分からないのだけれど、
その事件をきっかけに「事件小説は書かない」
と、何かで高村さんの今後を読んだ気がする。
事実は小説より奇なり、というけれど
高村さんは筆を折る理由として、
「小説家でも思いつかないような残酷な事件が
現実として起こることに対するショック」
というような内容をおっしゃっていたと思う。
海外にいた私は非常にがっかりしたのだ。
もう、高村作品が読めなくなるのか、と。

しばらくして、高村さんは時代小説を書かれ始めたと思う。
私の苦手な歴史系の小説。
いくら、高村作品でも、なかなか手が出ない。
そして、今年、新作で
「合田警部補」が登場する小説が刊行されているようだ!
その文庫化を待とうかなぁ。
とりあえずは、今の下巻を読みきって、
また、おもしろそうな本を探してみよう。

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