2010年6月3日木曜日

吹奏楽でモーツアルト


オーボエソロの曲では「モーツアルトのオーボエ協奏曲」は有名中の有名。
実は、この曲、今度入る吹奏楽の楽団で奏るんです。
オーボエソロはプロの方に来ていただき、演奏するとのことで、
へぇ、吹奏楽でねぇ、とびっくりしたのです。

何も、そこまでしてやらなくてもいいのでは…
と思って、オーボー先生にぽろり、といったなら意外なこたえが。
「素敵なら何やってもいいんじゃないんですか」と。
その音楽性が失われていなければ、いいのでは、と。
まさか、モーツアルトも作曲して200数十年経ってから
行ったこともない日本というアジアの国で
それも、吹奏楽で自分の作曲した曲が編曲され、
演奏される、なんて夢にも思っていなかったろうな、と思います。

経済力が向上したこのアジアの小国で
確かに数十億の海外の絵画が売り買いされるくらいですから
西洋音楽を編曲して日本人が吹奏楽で演奏したところで
何も驚くことはないのですね…
この曲をオーボエだけで演奏したのも聴いたことがあるよ、
と先生曰く。
当時、オーボエが余っていて、
何かパフォーマンスができないか、と
そういう突拍子もないようなことをしていたようです。

弦のように音を鳴らすのは管楽器では難しいのは当然ですが
新たな挑戦、という意味では
吹奏楽でやってみる、っていうのもおもしろい試みなのですね。
吹奏楽ばかり続けてきた私ですが
だからといって、吹奏楽用の曲に固執もしておりません。
私の吹奏楽の知り合いに
吹奏楽をやるからには、吹奏楽のために書かれた曲を奏ならければ
吹奏楽をやってる意味がない、とすらいった人もいて、
翻ると、なぜ、そこまで吹奏楽に固執するのか分からない。
この固執は意固地になっていて、
オケで奏れない酸っぱいブドウ状態なのかな、なんて
皮肉に思ったりもします。
私はホント、何でも演奏していて楽しければいい、
という、超アマチュアです。

ある証券会社のコマーシャルで
各国で演奏したり、歌を唱ったりしたものを
合わせてひとつのものにしてるのがあります。
あれを見たオーボー先生は
「みんな、音楽、楽しんでるな」
とぽつりとおっしゃいました。
「巧い下手なんて、考えてないもんね」って。

上手い、に越したことはなく、
それを目指して向上しようと練習するのだし、
やはり、吹けなかった曲が吹けるようになると
単純に嬉しい。
でも、その道のりも楽しめてこそのもの。
音楽は本来、悲しむものでも苦しいものでもなく
誰がやっても楽しいもの、なんだろうな、と実感しました。

さて、明日は初練習日です。
なに、演奏するのかな?

*動画での演奏はオーボー先生の師匠のローター・コッホ氏の
ベルリンフィルでのソロ演奏のモーツアルト「オーボエ協奏曲」
映像は、のだめ〜の黒木くんだけど、ね。

2010年6月1日火曜日

ふたつ目のロマンス


シューマンの3つのロマンスのうち、
私はふたつ目が好きで
この曲をアメリカ時代のフルートの先生
Kim Collins師の演奏録音を聴いたことがある。
彼女の演奏は骨太な感じがする。
彼女のFace Bookでこの曲が聴けます。

さて、しかし、そもそも、この曲は
オーボエのために書かれたもののようです。
なので、この楽譜を手に入れたとき、
オーボー先生に吹いてもらいました(!)
私だけがお客さん、という
超贅沢な環境でございました。
当然なのですが…うまい。
涙も出そうなほどです。
オーボー先生、ちゃきちゃきの江戸っ子とのことですが、
こういう、しっとり系が至極ウマくて
泣かせる曲がなんとも聴かせる。
私も斯くありたい!と
基礎練習そっちのけで、オーボーに関しては
この曲を練習し始めていますが…。

この曲は♯が3つついていますのでA durです。
あ、アメリカで習ってA majorと記憶していましたが
オーボー先生には「ドイツ式で」といわれ
覚え始めております、はい。
さて、この曲のはじめの音は
オーボーではとっても難しいCisです。
すごーく、苦手な音なのです。
なぜなら、左手の一番上のキイが半開ですが、
実際はキイを全部押さえるため
管体自体が長くなり、音が重くなるからです。
それを、ロマンスただようCisにするには
並大抵の練習では到底ロマンスどころではありません。

まずははじめの8小節、そして続く8小節、と
コツコツ、とつなげるしかないのです。
オーボーはオクターブキイを使って上の音を出すので
それに慣れていないため、フルートっぽく吹こうとして
毎回同じところでつまずきます。
指すら慣れてないのに、
シューマンに挑戦、というのは無謀っちゃぁ無謀ですが、
何しろ吹いていて楽しい。
下手で当然さ、とエンジョイしております。
そして、試しにフルートでも吹いて
Kim先生の音を思い出し、また、結局、
ふぅ、とため息が出てしまうのです。

しかしまぁ、最近、なんだかいい方向に
オーボーは向かっているようで、
吹くことに対し、わくわく感が出てきました。
オーボー先生こそ無謀にも、
「あと半年したらオケね」とおっしゃる。
え?と驚くと、
「今入らないで、いつ入るの?
どんどん曲吹いて、合奏しないとウマくならないよ」
とのことです。
半年後、私はどうなってるのでしょうか??

*写真はAmazonで買ったシューマンの
「3つのロマンス 作品94 オーボエとピアノのための」

2010年5月31日月曜日

ついに!(涙)



懸案のオーボー…
まだまだヒンケ(フルートでいう所のアルテみたいなものです)の
一番はじめのページ。
ずーっと、駄目出し。
ずーっと、自分でも不満足。
けれど、昨日は、なんと、ついに、”褒められました”(!)
オーボー先生、酔っぱらってもいないのに(苦笑)
褒めてくださいました。
そして、初見で(って言っても、
フルートなら難なく吹ける四分音符と四分休符のみの練習フレーズ)
練習小曲もこなし、一気に3つ、
「たいへん、よくできました」の
桜マークのスタンプを押していただきました(嬉)
『滅多に出ないよ』
といわれましたが、何の知識もなかったのがよかったのか、
オーボー先生の言われるように
なんとか吹こうとしてきた結果が、この初歩の段階で
すこーしずつ、実を結び始めているような気がします。
なんて、大げさなのですが、
リードにしても、超初心者の頃使い、
ぼろぼろになり、使いにくいなぁ、と思って
音も出にくいのはリードの所為、と見限っていたのに、
『このリード、まだまだ大丈夫だから』
と、オーボー先生に試し吹きをされ、
これまたいい音が出て(涙)、これは、言い訳ならない、と
そのリードで吹きました。

リードって、
硬いと「ヘビー」とか言って、噛んで吹くと音が響き、
柔らかめは口をゆるめでくわえないと
リードがつぶれて振動が起きません。
しかし、音は響きにくく、へたりがちです。
そして、どんなリードでも変化して行くので、
その変化にアンブシュアは応じていかねばならず、
故に「奏法が難しい楽器」といわれているのですね。

口だけではなく、
下腹にちょいと力を入れ、
「吹き矢を吹く」感じでおなかを引っ込めながら音を出します。
これ、オーボー先生直伝の企業秘密(苦笑)
でも、なかなかできないのですよ。
言葉だけでは上手に説明できないのですけど、
まぁ、そういう感じです(とごまかしたりして)。
口と下腹のバランス、ほかにも体中を使って
オーボーは音が出るのです。

あと、呼吸は、吹いたあと、
肺に空気が残るので、吐いてから吸います。
これをしないと、苦しくなります、吸い過ぎで。
先日のMさんの演奏会でしたが、
とても素敵でしたが、「音楽」が私の好み
っていう音楽とちょっと違うものでしたけどね。
技術的にはめちゃウマく(そりゃそうですよね、プロだもん)
循環奏法を目の前で始めてみました。
すごいですねぇ、あれ。
永遠に演奏し続けられるんですね。。
そんな、雲上人の演奏は無理ですが、
いい目の保養になったのはいうまでもありません。

昨日のオーボーレッスンで言われ、
ほぅ、
と感心というか、驚いたことがあるのですが。
初心者は初心者であるほど、
基礎をさらうべからず、なんだそうです。
基礎練習を自分の日課としてさらうならば、
その奏法が100%正しければ問題ないですが、
まず、誤っているから下手なのであって、
だからこそ、初心者ほど曲を吹いた方がいいのだそうです。
ピッチも何も関係なく、とにかく吹くことに慣れるように、と。
大分吹けるようになってきたら基礎練のパーセンテージを上げていき、
オーボー先生のように、40年も吹いてきて、
既にオケの曲は全てさらい、暗譜もしている現在、
さらう曲はもはや無く、
100%基礎練が必要なのだそうです。
おもしろいなぁ、と思いました。

*写真は私のオーボエと同タイプ、ヨーゼフ製「クレメント」モデルです。