2010年6月9日水曜日

ゴールウェイという雷に打たれた


フルートを中学生の時に始めましたが、
誰かに憧れて吹き始めたのではありません、実は。
ただ、ブラスバンドの演奏が楽しそうで
それで始めたのでした。で、今に至ってしまっています。
私の始めた頃は、日本のアーティストで
山形由美さんや金昌国先生が活躍されていた時代でした。
しばらくして、ランパルさんの演奏を聴いてびっくりしたり
だからといって、やはり誰かの演奏に傾倒していった訳ではないのです。
だから未だに下手なんでしょうけれど(汗)
で、アメリカに住んでいた頃、
なにげに検索して引っかかったのがこのゴールウェイさんです。
え?60歳でもフルートって吹けるんだ、
とアルバム名に感心し、演奏を聴いてぶっ飛び、
今まで習ってきたフルートの先生とは全然違う…
と、耳を疑ったのでした。
そして、あぁ、これがフルートなんだ、
と、妙に合点がいったのでした。
でも、身近なフルートの先生だって、とても上手です。
私には敵いっこない腕前です。当然です、プロなんだから。
でも、プロにも色んな人がいるのか、
と、まじまじと知ってしまったのです、生意気にも。

留学する人はすごい人、とはいいませんけれど、
海外にいって成果を上げられる人というのは
やはり、抜きん出てるよな、と思います。
生きていくことはできるけれど、周りから評価を得るというのは
なかなか、誰にでもできることではありませんよねぇ。
実力も人との交流力も、交渉力もなければ
なかなか、自分を見せる場を持つチャンスさえ見つけられませんから…。
ゴールウェイさんはイギリスでそれなりに名声を得ていても
ベルリンフィルで吹いた方ですし、
団員たちとはドイツ語で話をしていたのですから
言語にかけても音楽の人というのはドイツ語に重きを置いて
アメリカ人のよくやるように(苦笑)英語にあぐらをかかずに
本場のヨーロッパで西洋音楽を習うのだな、と思いました。

一生かかっても真似できないゴールウェイさんのフルートですが
彼の演奏によってなよなよしてる?とも思ったフルートに対し
骨太で潔い楽器、と思い直したのですから
やはり、彼はすごい!と憧れてしまうのでした。

*動画はご存知バッハの「バディネリ」これ、難しいですよね。。

2010年6月7日月曜日

シンガポール


今、同僚がシンガポールに研修に行っている。
2週間の滞在となる。
彼は5月に入社した人で、うちの会社は大抵、
日本以外で研修をする。
去年入社した別の同僚は中国に4週間の研修だった。
一昨年入社した私はシンガポールに6週間もいた!
早いものだ、入社してもうすぐ2年となる。

アメリカ資本のうちの会社は
環アジアのヘッド・クオーターはシンガポールが担っている。
なぜなら、シンガポーリアンは英語が堪能だからだ。
近隣諸国のマレーシアも英語が堪能で
隣接しているということもあって、
大学生はマレーシアから通ったり、
社会人もマレーシアから通勤したりするそうだ。
だから、シンガポールのうちの会社は
シンガポーリアンというよりも
華僑の末裔たちで構成されている、といった感じが否めない。
なので、中国語も飛び交っている。
マレー系もいるし、フシギな感じはする。

一昨年、6週間も亜熱帯のシンガポールで研修があった時、
私は苦しくて泣き叫びたかった。
ホテルの状態がひどかったり、洗濯機がなかったりで、
会社に訴えて、こぎれいなホテルに変更してもらった。
とんだスタートを切ったシンガポール研修だったのだが、
ここで私は「おひとりさま」ということを学んだ気がする。

日本にいると、テレビを点ければ日本語で何か話してるし、
コンビニに行けば自分の好みの物に出会えたりする。
アメリカに住んでいた時は
テレビを点けても英語だし、
コンビニなんてないし、スーパーは遠いし、
ドラッグストアは品定めするような雰囲気ではまったくないし、
ってな感じで、日常のアメリカは殺伐としている感じでした。
では、シンガポールはどうか、というと
コンビニは、あります。
けれど、好みのものは、うーん、見つかる時もある。
何せ、日本のスナック菓子が売られているのだ。
テレビはどうか、これはやはり日本語のものはないですね。
大抵、中国語。
英語のものは映画やニュースかな。
でも、週末、日本の旅番組を日本語でそのまま放送していて
私は毎週末、それを楽しみにしてましたけどね。
アメリカ時代のようでちょっと懐かしく、
ちょっとほろ苦い気持ちになりました。
しかし、一昨年の夏はなんといってもオリンピックがあったのですよ。
北京オリンピック。これを見てましたね。
勿論、中国とかシンガポール、台湾がメインに映されてましたけど。
滞在日、最後の日はF-1が来てたので、
その爆音を聴きながら友達とSkypeしたのでした。

今はとても懐かしいのですが、
滞在時は、結構辛かったのが食べ物。
6週間、ホテル住まい、というのも厳しいもんがあります。
普段はホーカーという屋台村みたいな所で済ませます。
でも、週末は、ちょっといいもん、食べたいよな、
ってことで、ラッフルズホテルに何度か行きました。
そこでよく食べたのが写真のサンドイッチです。
パンの種類が色々あって、
大抵、このライ麦系の全粒が入ったものを選んで
挟むものもガラスのショーケースからアレコレと選び
サンドしてもらいます。
コーヒー付きで、日本円で800円ぐらいかな。
シンガポールからすると高いと思いますね、物価的に。
S$1/ 66円ぐらいかな、今。
私の行ってた当時はまだ70円切ってなかったように思うのですが
円高ですね。

さて、その「おひとりさま」ですが、
色んなことに慣れきって、依頼心が強かった私は
シンガポールでぽつねんと、ひとりぼっちなって
それでも楽しいこと見つけて生きていく
っていう、基本中の基本を、このシンガポールで知った気がします。
ラッフルズホテルのサンドイッチは
たまたま入ったカフェで見つけて何度か食べたけど、
誰かと一緒に食べたいなぁ、と思いながらも、
一人でもいいじゃないか、とも思ったり、
まぁ、色んなことを考えたのでした。
当時は、イヤでイヤで逃げたかった彼の地ですが、
今は、別のビジョンで眺めてまた行きたいな、と思います。
でも、行くとしても、やっぱ、ひとりかな。
そうそう、旅って、本当に安心できる人でないなら、
ひとりでいる方がいいな、と思っています。

だんなさんは旅好きではないので、
出かけるとしたらひとりの方が気が楽だろうな。
私には老いた両親がいるので
親孝行にどこか、旅行にでも連れて行ってあげなきゃ、
と思ってるので、シンガポールなんていいかも、
なんて、私が行きたいのも相まって、思ってます。

2010年6月6日日曜日

性に合ってる


ミクシィのマイミクさんが
80〜90年代のナツカシの歌謡曲を張っていたので
ちょっと見ていたらなんだか泣けてきた。
泣けてきたついでに、動画のページに行って
昔よく聴いてたミスチルなんか聴いてたら
ますます泣けてきた。
何でかなぁ、何で涙が出るのだろう。
私は今、結構しあわせなのになぁ。

で、こりゃいかん、と思って
「落語」で検索して、
懐かしい小さん師とか枝雀師とか
ご存命の大ファンの小三治師なんか聴いてたら
なんか、ワクワク、楽しくなってきた。
ナツカシの歌聴いて、しんみりして、
あの頃はよかったな、とか、
あの頃、こんなコトしてたな、とか
あの頃ああしとけばよかったな、
なんていうことばかりを思い出しているよりも
思い出も何もない、
もっと遠い昔を題材にした落語を聴いて
その当時の人のユニークな考え方を
ほぅ、と聴いている方が性に合ってる、と思った。

歌謡曲とかポップスだとかは詩を聴いてしまうのだが
その詩がどんなものであっても
最近の私は同じ言葉を聞くのなら
落語の方が心に入ってくる。

詩、というのは短いコトバの数珠つなぎで
物語になって心の隙き間に入り込み
なんだか、ばかでかい存在感を放ったりする。
その、居座った言葉に受け取るこっちは
どう処理すればいいんだか、結構手を焼く。

落語というのは「会話」で成り立ち、
その会話は生きた言葉そのもので
誰もが思いつく言葉、
でも、意外な展開、でも納得できるオチ、
だったりしてすーっと染み入ってくる。
心の隙き間でもなければ大きな存在感もない。
ごくありきたりな日常の、
ごくわかりやすい言葉で、
でも、現在ではなく、私の知ってる過去でもない。
見たことも、生きたこともない、
その時代の、でも同じ人間の日常の一場面。
その些細なすったもんだ、その些細なやりとりが、
こうもおもしろく、こうも身近で、
でもやっぱり誰かの人生を見ているという
ちょっと、人ごとな感じという安心感。

私の周りに落語好きは夫のみ。
会社の人ではいないなぁ。
昔からの友人たちは私が落語に連れて行ったのを契機に
落語好きになってくれた(笑)
理由なんてどうでもいいのだけれど、
私には、この落語を聴く方が歌を聴くのよりも
性に合ってるなぁ、と思う。

*動画は小三治師の「にらみ返し」の一場面。
続きは動画のページでどうぞ。

フルートのいない週末


日曜日です。
昨日の土曜日は咳風邪で這々の体でした。
オーボーも吹かずじまい。
今日は夕方からオーボーのレッスンがありますが、
練習していません。。
初心者の私の場合は、何度も言う通り、
基本のキの字は何遍もオーボー先生の指示を聞き、
その通りにやった方がいいので
下手に練習するよりは、直ぐさま直してもらった方がいい、
と思っています。
でも、個人練習で得ることと言ったら指づかいで
これがなかなか不得手な私は地道にこつこつと
覚えていくより方法はありません。
そして、曲を吹きながら覚えるのが脳に入りやすい、
というのが最近気づいたことなので、
好きな曲を吹いて頭に知らぬ間に入れてしまおう、
と、自分を上手くコントロールしようと思っています。

オーボーの練習はすんなりと吹けないということもあり
結構、ストレスになることもあるのです。
楽しいはずの趣味なのになんででしょうね。
で、そういう時は決まって、フルートに助け舟を出し
それをピーヒャラ吹いて憂さ晴らしをするのです。
憂さ晴らしにならず、反対に、
フルートまで吹きにくくなってる…と
悲しい結果になることもあるのですが、
まぁ、そこはそれで、別の課題を新しく知ることになるので
フルート練習のいいきっかけになることはいうまでもありません。

しかし、この週末は、そのフルートがありません。
憂さ晴らしどことか、
ないことで、ちょっとした緊張感があります。
活字依存症の私が単行本を忘れて遠出したような
妙な不安感に似ています。
先週金曜日に、新しく入った吹奏楽団体に
初練習に参加するはずだったのですが
ひどい咳と出ない声、という有様で
夕方、不参加の連絡を入れ、
重い楽器と譜面台は会社の引き出しにしまってきました。
重い、といっても
CCシャイニーのハードケースが重いだけなんですが。

フシギなもんで、フルートがないと
オーボーもとんと練習しよう、とならない…。
いえいえ、風邪が完全に治まってないから
吹く気が湧かないのよ、なんて自分をなだめてみたりもしますが
まぁ、理由はよく分かりません。
泣いても笑っても、夕方はオーボーのレッスンがあるので
その前には音を出しておきたい。。

さて、色々いい訳言ってないで
ちゃっちゃと練習しないと、ね。

*写真は私のムラマツDSです。
もうひとつのフルート、オールド・ヘインズは…
ある楽器店で売りに出しております。。
希望の方はご連絡を。